画家目線

シュルレアリスムとは?その特徴と参加していた画家を分かりやすく解説。

シュルレアリスムとは?
シュルレアリスムを分かりやすく解説します。

こんにちは画家の籏山隆志です。
主にアクリル絵の具を使ってポップでマンガチックな絵を描いてます。

あなたはシュルレアリスムって芸術活動を知ってますか?

シュルレアリスムってのは1919年~1939年第一次世界大戦終結から第二次世界大戦勃発まで(いわゆる戦間期)にフランスで起こった文学、芸術活動です。

日本ではフランスのシュルレアリスムから「シュール」という言葉が生まれましたが、これは日本独特の概念であり表現なので本来の目的からは外れてます。

ではどういった芸術活動だったのか?

「芸術やら美術の解説って専門用語や小難しい表現多くてよく分からんがね?」

って言ってるそこのあなた、そんなあなたのために、
でっきるだけ分かりやすーくお伝えしますんで是非最後までお付き合いして下さい。

シュルレアリスムとは?
シュルレアリスムの起こった背景は!?

シュルレアリスムって言葉は、ポーランドの文学者であり美術評論家でもある人物ギョーム・アポリネールが生み出した造語で、
そのシュルレアリスムを芸術表現として広めたのがパリの詩人であるアンドレ・ブルトンです。

ただこのアンドレ・ブルトンがいきなり、

シュルレアリスムはじめましたーっっっ!」

って高らかに宣言した訳じゃなくて元はダダイズムっていう芸術活動に参加していて、
このダダイズムこそがシュルレアリスムを語る上で非常に重要になってきます。

ダダイズムの根本的な考え方は理性の否定で、更に特徴的なものとして作為の否定、意識の否定が有り、

例えば風景を描くとしたらどんな絵にするか?
・写真みたいな写実的な絵
・パステルカラーを使ったポップな絵
・抽象的な表現をした絵

と言った事を全く決めないで偶然現れたモノを作品にし表現するって言う考え方で、

アンドレ・ブルトンフロイトユングの哲学、精神学、心理学、
更にジョルジュ・デ・キリコの実際に見ることが出来ない現象やら風景を描いた絵(形而上的絵画)などを参考にしてシュルレアリスムを宣言し、

無意識、無作為によって作品を制作するって言うダダイズムの考え方がシュルレアリスムに受け継がれました。

特にダダイズムの基本的な考えの1つ無意識は、ダダの活動がもう壊す方法を思いつかなくなり行き詰まった時アンドレ・ブルトンが目を向けたんですね。

では次の章でシュルレアリスムってどんな活動だったのかお伝えします。

シュルレアリスムとは?
シュルレアリスムってどんな活動だったの?

フロイト、ユングらによる無意識の研究は当時の芸術家達に非常に強い影響を与えました。

ユングの言う集団的無意識ってのは人と人との無意識の世界は繋がってて、
この頃の芸術家達はこの無意識の世界へアクセスを試み、

この時に取られた技法の1つにオートマティズム(自動筆記)ってのがあります。

オートマティズム(自動筆記)とは
・書く内容を全く考えない
ただ思いついた事をドンドン書いてくのが基本
・理性が介入する余地がなくなるまでスピードを上げる

要は文字を無意識に書きなぐるわけね。

ただこの考えは、文字に対してであって絵の表現となると話が違ってきます。

というのは、文字による表現はノートなり紙なりに直接ひたすら書きなぐればいいけど絵の場合イメージに変える時どうしても意識してしまう部分が出てきます。

そんな事から画家のピエール・ナヴィル
「絵によるオートマティズムって無理なんじゃない?」
なんて述べてます。

シュルレアリスムってのは日本語に訳すと「超現実主義」って意味です。

けどここで言う「超」ってのは「現実をぶっ飛びこしてる」って意味じゃなくこれと真逆で「現実過ぎなぐらい現実」って意味で、
ヤンキーが使う様な
「超オモシレーじゃん!」
とか
「超カッケーじゃん!」
みたいな意味での「超」です。

要は「これは夢か?幻か?」なんてことが起こったとしても、
ぜーんぶ現実だと認めること。

目の前で異常と思えることや、ありえねーって事が起こってもそこんトコロは突っ込まない方向で。
そこを突っ込んだ瞬間に、
「こりゃ何かへんじゃね?」って認識してしまってるのでシュルレアリスムは成立しなくなるんですね。

なんか小難しい禅問答みたいになってきた。^^;

では次の章でシュルレアリスムに参加していた主だった画家さん達を解説していきます。

シュルレアリスムに参加していた画家

ジョルジュ・デ・キリコ


ジョルジュ・デ・キリコの作品の特徴は代表的なものとして形而上絵画(実際に見ることが出来ない現象や風景を描いた絵)で、これらの作品から受ける印象は、
・目をくらまし、惑わす(幻惑)
・困ってどーしたらいーか分からん(困惑)
・心配に思ったり、恐怖を感じる(不安)
・寂寥感{せきりょうかん}(物悲しい感じ、人気の無い寂しい景色)
・薄ら寒さ
なんかを感じます。

あなたはどう感じますか?

こんな風景の中に立ってたら上記の様な感覚に陥るでしょ。

たとえば現実に、夕方家に帰ったら夕闇が迫るなかダーレもおらん!
明かりも付いてねー!暖房も入ってねー!生活音が何もしねー!
とか
全く人気のない広場に一人寂しくポツンと立ってたら、
建物の影からやけに背が高く、物腰柔らかく、言葉使いも丁寧だがその目は異常に血走っていて目をそらした瞬間キバの生えた口で首筋にガブッて・・・
そう、なんだかヴァンパイアでも潜んでる様な気がしてきます。

キリコは途中、古典的な絵画様式に変わったりしましたが、再び形而上絵画に戻ってます。

全部の作品ではありませんが
一つの絵の中に消失点が複数入ってます。
いろーんな建物の消失点がビミョウにズレてて、現実ではありえねーって言う感じのパラレル(平行、並列)な空間を作り出してます。

これはキリコがミスったんじゃなくて意図的に作り出したものなんですね。

マックス・エルンスト

ドイツの画家、彫刻家、グラフィックアーティスト、で詩人でもあり、
ケルンダダの創設者で、
1914年ケルンでダダイストのハンス・アルプと出会い、意気投合して死ぬまで交友を続けました。

1919年には社会改革者ヨハネス・バーグレーらとケルンダダを創設し、

1919~1920年にマックス・エルンストヨハネス・バーグレーは様々なダダ情報誌を発行し、ダダの展示会も企画しました。

マックス・エルンストダダイズムシュルレアリスムを結ぶ重要な画家さんです。

絵画の正規教育は受けていなく幼少の頃から絵を描くのが好きで、大学時代にはアウトサイダー・アート(精神病患者の作品)に興味を覚え、ゴッホ、ゴーギャン、ピカソの作品に影響を受けて画家を目指しました。

マックス・エルンストの絵の特徴は「幻視」(げんし)です。

「幻視」ってのは、
海岸の岩を見つめてたら人の顔が浮かんで見えるとか、ベニア板をジッと見てたら群衆が見えてきたとか言ったもので、
「幻覚」の中の1つにあたり、他に「幻聴」「幻臭」ってのがあるそうです。

エルンストは幼少の頃、
はしかに罹り熱でウンウンうなされてる時に天井の羽目板の木目が目玉や鼻に見えるなど幻覚にとらわれる様になり、

それ以来「幻視」の力がヒッジョーに強くなって人類学とか生物学の教材なんかを眺めてると、
自身の頭ン中に絵のイメージが浮かんできてそれらをキャンバスに展開して行ったんですね。

そんなこんなをイメージにするのに使った手法が
・コラージュ
コラージュってのは写真やら絵、文字なんかを新聞、雑誌などから切り抜いて、それらをキャンバスなどに貼り付け1つの作品にしたものを物語を融合させた作品が多数ありコラージュロマンシリーズと呼ばれてます。

・①フロッタージュ、②グラッタージュ、③デカルコマニーetc.

①物の上に紙を敷いてエンピツでこすって、模様を浮かび上がらせる手法。
②絵具を載せたキャンバスを物の上に置き、絵具をパレットナイフなどで削り取って模様を浮かび上がらせる手法。
③キャンバスに絵具を塗ってその上にがラス板などのツルツルするものを押し当てて引きはがし偶発的な模様を得る手法。


などの新技法を駆使して制作された作品も多数あります。

サルバドール・ダリ

シュルレアリスムの立役者でスペインの画家さんです。

ダリの絵の特徴は通常の現実世界を表現するんじゃなく飽くまでもダリの頭ン中にある世界で、
・だまし絵的なイメージの作品
・エログロに皮肉ったメッセージが入った作品
・戦争、宗教、心理学、物理学、数学を取り入れて表現した作品
などがあり、

いろーんな形で表現する一種異様な世界観は解読不能、意味不明で不快な印象をすら受けるとこもありますが、
どっかコミカルな感じもします、それに加えて職人技を見せる写実的な表現が加わり正に画家ダリの独壇場って感じです。

だって、一回見たらあなたの脳みそにぶっ刺さって絶対忘れんでしょ。


いっくら空想力がキョーリョクだっ!つってもこーんな不気味なイメージが描けるだけじゃなく、
そのファッションやヘンテコなヒゲ、その風貌も含めて変人、変わり者、社会不適合者な変態紳士ですね。

上記3人以外にも、

・マン・レイ
アンドレ・マッソン
・パブロ・ピカソ
・パウル・クレー
・ジョアン・ミロ
・ピエール・ロア
・ハンス・アルプ
・イブ・タンギー

など何人か見えますが、独断で選んでます。

シュルレアリスムの輪郭って詩人のアンドレ・ブルトンによって明らかに決められてるんですが、
この輪郭にバッチシ当てはまる画家さんはそんなに居ません。

シュルレアリスムって、
造形的(感性、想像力を発揮して対象や事象を、形、色なんかを
・形を作り上げる
形のあるものを作る
目線でとらえて自分自身のイメージで作品を作り上げる)な方法を定義してません。

なので画家さん達は思い思いのやり方で新しいイメージを生み出しました。

パウル・クレーは一応シュルレアリストん中に入ってますますが、

シュルレアリスムのグループに直接加わったことは有りません。

なぜかってーと、己の造形思考に従って
シュルレアリスムとは隔たった方法論を作ってたんでグループからは距離を置いてたからです。


パブロ・ピカソは一時シュルレアリスムのグループに接近はしましたが、
加わることは有りませんでした。

何でか?
この時すでに様々な絵画様式を確立していたピカソなんで、
シュルレアリスムピカソにとっては通過点に過ぎなかったんですね。

だいたい詩人が考えた定義に当てはまって、論理的にあーたらこーたら、小難しい事考えてたら絵なんて描けねーじゃん。

そりゃまあ、構図がどう?とか、配色はどーする?とかは画家なんで考えますが。

それでは今回のまとめとして、

まとめ

シュルレアリスムって言葉は、ポーランドの文学者であり美術評論家でもある人物ギョーム・アポリネールが生み出した造語であり、

そのシュルレアリスムを芸術表現として広めたのがパリの詩人であるアンドレ・ブルトンで、

アンドレ・ブルトンフロイトユングの哲学、精神学、心理学、
更にジョルジュ・デ・キリコの実際に見ることが出来ない現象やら風景を描いた絵(形而上的絵画)などを参考にしてシュルレアリスムを宣言し、

無意識、無作為によって作品を制作するって言うダダイズムの考え方がシュルレアリスムに受け継がれました。

この無意識の領域にアクセスを試みるのにオートマティズム(自動筆記)などが用いられました。
が、このオートマティズムは文字による表現には向いているが絵画の表現には向いていないと画家のピエール・ナヴィルは述べてます。

シュルレアリスムに参加していた画家

・ジョルジュ・デ・キリコ
マックス・エルンスト
サルバドール・ダリ
・マン・レイ
アンドレ・マッソン
・パブロ・ピカソ
・パウル・クレー
・ジョアン・ミロ
・ピエール・ロア
・ハンス・アルプ
・イブ・タンギー
他。

いかがでしたか、戦間期にフランスで起こった前衛的な芸術活動シュルレアリスム。

「美術、芸術の解説って専門用語や小難しい表現多くてよー分からんかったがあんたの記事ですこーし分かった!」

なーんて言って頂けたら望外な喜びです。

最後までお付き合い下さりありがとうございました。

ではまた別の所でお会いしましょう。